1. Eclipse開発環境の構築
iPLAssをベースにWebアプリケーションを開発するために、Eclipseで利用可能なGradleプロジェクトのスケルトンが用意されています。 ここではEclipseの設定からプロジェクトの取り込み、各種設定を行った後、Webアプリケーションの起動までを説明します。
2. 事前準備
開発環境を構築するにあたり、以下のものを用意してください。
JDK |
|
APサーバ |
|
DBサーバ |
以下の内いずれか
|
Eclipse |
2.1. Tomcatの設定
ダウンロードしたインストーラ、または圧縮ファイルから、任意の場所にTomcatをインストールします。
Tomcatのインストールディレクトリにある lib
フォルダに利用するDBのJDBCドライバを配置してください。
本番環境ではデータソースを利用したDB接続を利用する場合があります。 データソースを利用する場合、Tomcatの参照するクラスパス上にJDBCドライバを配置する必要があります。 本資料ではデータソースは利用しませんが、上記理由によりプロジェクト側ではなくTomcat側にJDBCドライバを配置します。 |
2.2. DBの設定
iPLAss用のデータベースおよびテーブルの準備ができていない場合、DBの設定が必要になります。
以下の方法のうちいずれかを実施し、データベースおよびテーブルを作成してください。
-
Install and Runのウィザードを利用します。
-
iPLAss SDKをダウンロードし、同梱されているDDLを実行し、テーブルを作成します。
本番環境の構築を行う際は、iPLAss SDKのDDLを利用してください。 Install and Runによる作成は推奨していません。 Java 11を利用している場合、必ずデータベースとJDBCを最新バージョンに更新してください。Java 11で接続ポリシーがTLSv1.3に変更された為、旧バージョンでは対応されない可能性があります。 |
2.3. Eclipseの設定
-
ダウンロードしたインストーラを起動します。
JAVA_HOME
が設定されていない場合、javaw.exe
を選択するダイアログが表示されます。 JDKのインストール先にあるjavaw.exe
を選択してください。 -
起動した画面で
Eclipse IDE for Enterprise Java and Web Developers
を選択し、任意の場所にインストールします。 -
インストール完了後、Eclipseを起動し、任意の場所にワークスペースを作成してください。
-
メニューバーから
Window > Preferences
と選択し、設定画面を開きます。-
エンコーディングの設定
General > Workspace
のText file encodingをOther(UTF-8)
に変更します。 -
JDKの設定
Java > Installed JREs
にインストールしたJDKがあるか確認してください。 ない場合はJDKを追加し、デフォルトに設定します。 続いてJava > Compiler
を開き、Compiler compliance level
が11
となっていることを確認してください。 -
Tomcatの設定
Server > Runtime Environments
にインストールしたTomcatを追加します。Apache Tomcat v9.0
を選択し、事前にインストールしたTomcatのディレクトリを指定します。
本手順は、 Eclipse IDE for Enterprise Java and Web Developers(2023-09)
および、日本語化パッチが未適用の状態であることを前提としています。 -
3. プロジェクトの作成
プロジェクトは GitHub 上に作成されたテンプレートリポジトリを利用します。
Use this template
から新しいリポジトリを作成してクローンするか、ZIPファイルをダウンロードしてください。
3.1. テンプレートから作成
以下の手順でプロジェクトを作成します。
-
Use this template
でCreate a new repository
をクリックし、リポジトリ作成画面に遷移します。 -
リポジトリ作成画面で
Owner
とRepository name
を指定し、レポジトリを作成します。
-
クローン先のURLをコピーします。
-
Eclipseのメニューバーから
File > Import…
を選択します。 -
Git > Projects from Git
を選択します。 -
Clone URI
を選択します。 -
LocationのURIにコピーしたURIが設定されてることを確認します。AuthenticationのUserとPasswordは必要に応じて入力し、ログイン認証してください。
-
master
ブランチを選択します。 -
Destinationの
Directory
にEclipse起動時に指定したワークスペースを指定します。 -
Wizard for Project importで
Import as general project
を選択します。 -
Project Nameを変更せずに
Finish
をクリックします。
テンプレートから作成する場合、予めGitHubアカウントを作成する必要があります。 ログイン認証時に「Personal access tokens」が必要になるため、未作成の場合はGitHubメニューの Settings > Developer settings からトークンを作成してください。
|
3.2. ZIPファイルから作成
以下の手順でプロジェクトを作成します。
-
Clone or download
でDownload ZIP
をクリックし、ZIPファイルをダウンロードします。 -
ZIPファイルを解凍し、ワークスペースの直下に
iplass-skeleton
フォルダを移動します。
-
Eclipseのメニューバーから
File > Import…
を選択します。 -
General > Projects from Folder or Archive
を選択します。 -
Import source
にワークスペースに移動したフォルダを指定し、Detect and configure project nature
のチェックを外し、Finish
をクリックします。
3.3. iPLAss SDKから作成
iPLAss SDKに含まれるスケルトンプロジェクトを利用してプロジェクトを作成します。
-
ダウンロードサイト または有償版契約時に通知されるURLからiPLAss SDKをダウンロードします。
-
iPLAss SDKを解凍し、ワークスペースの直下に
iplass-skeleton
フォルダを移動します。
有償版のSDKでは iplass-ee-skeleton フォルダとなっています。
|
-
iplass-ee-skeleton
フォルダを開き、有償版契約時に配布されるgradle.properties
を上書きします。
有償版の gradle.properties には、契約時に配布されるユーザ名およびパスワードを追加する必要があります。iPLAssMavenRepoUsername=xxxxx iPLAssMavenRepoPassword=xxxxxxxx
|
-
Eclipseのメニューバーから
File > Import…
を選択します。 -
General > Projects from Folder or Archive
を選択します。 -
Import source
にワークスペースに移動したフォルダを指定し、Detect and configure project nature
のチェックを外し、Finish
をクリックします。
3.4. インポート後の共通設定
-
アプリケーション名を決め、
Refactor > Rename
でプロジェクトの名前を変更します。 -
Refactor > Move
でプロジェクトフォルダをプロジェクト名にあわせて移動します。 -
setting.gradle
のrootProject.nameをプロジェクト名にあわせて変更します。
-
Webアプリケーション実行時にはTomcatに配置したJDBCドライバを利用しますが、後述のテナントの作成にて、ツール実行時にJDBCドライバが必要になります。
-
Oracle(ojdbc8.jar)の場合
ベンダーのダウンロードサイトからjarをダウンロードし、プロジェクト直下のlibフォルダに配置します。 -
MySQL、PostgreSQL、SQLServerのいずれかの場合
build.gradleでコメントアウトされた該当行のコメントを解除します。
-
-
プロジェクトを右クリックし、
Configure > Add Gradle Nature
をクリックし、Gradleを実行できるプロジェクトに変換します。 -
Gradle > Refresh Gradle Project
をクリックし、依存するライブラリをダウンロードします。
プロキシサーバーを利用する場合は、以下を参考に gradle.properties にプロキシの設定を追加した後、Refreshをしてください。systemProp.http.proxyHost=xxx.xxx.xxx.xxx systemProp.http.proxyPort=xxxx systemProp.https.proxyHost=xxx.xxx.xxx.xxx systemProp.https.proxyPort=xxxx
|
-
プロジェクトの
Properties
を表示し、以下の操作を実施します。 -
Web Project Settings
のContext rootをプロジェクト名にあわせて変更します。 -
左ペインにある
Project Facets
のうち、以下の項目をチェックし、Versionを設定します。
その後、右ペインにあるRuntimes
タブをクリックし、事前準備でインストールしたTomcat(Apache Tomcat v9.0)をチェックします。選択肢に存在しない場合はNew…
ボタンから追加してください。
Project Facet | Version |
---|---|
Java |
11 |
Dynamic Web Module |
4.0 |
Runtimes |
Apache Tomcat v9.0 |
-
src/main/resources/mtp-service-config.xml
の設定を変更します。 以下の項目を変更してください。
<serviceDefinition>
<inherits>/mtp-core-service-config-oracle.xml</inherits> (1)
<!-- If use mysql, inherits mtp-core-service-config-mysql.xml for convenience. -->
<!--
<inherits>/mtp-core-service-config-mysql.xml</inherits>
-->
<!-- If use postgresql, inherits mtp-core-service-config-postgre.xml for convenience. -->
<!--
<inherits>/mtp-core-service-config-postgre.xml</inherits>
-->
<!-- If use sqlserver, inherits mtp-core-service-config-sqlserver.xml for convenience. -->
<!--
<inherits>/mtp-core-service-config-sqlserver.xml</inherits>
-->
・・・
<service>
<interface>org.iplass.mtp.impl.rdb.connection.ConnectionFactory</interface>
<!-- DriverManager base ConnectionFactory -->
<class>org.iplass.mtp.impl.rdb.connection.DriverManagerConnectionFactory</class>
<!-- ■ your rdb setting 1 ■ -->
<!-- for oracle --> (2)
<property name="url" value="jdbc:oracle:thin:ADDRESS:PORT:DB" /> (3)
<property name="user" value="XXXXX" />
<property name="password" value="XXXXX" />
<property name="driver" value="oracle.jdbc.driver.OracleDriver" />
・・・
</service>
・・・
<service>
<interface>org.iplass.mtp.impl.lob.LobStoreService</interface>
<!--
バイナリデータをファイルに保存する場合、以下のコメントアウトを外してください。
DBがMySQL及びPostgreSQLの場合はFileLobStoreの設定は必須です。
※下記設定は、Binaryはファイル、LongTextはRDBに保存する設定です。
LongTextもファイルにする場合は、longTextStoreの設定もFileLobStoreにしてください。
-->
<!--
<property name="binaryStore" class="org.iplass.mtp.impl.lob.lobstore.file.FileLobStore"> (4)
<property name="rootDir" value="[setYourBinaryFileStoreRootPath]" /> (5)
<property name="overwriteFile" value="false" />
</property>
<property name="longTextStore" class="org.iplass.mtp.impl.lob.lobstore.rdb.RdbLobStore">
</property>
-->
・・・
</service>
・・・
<service>
<interface>org.iplass.mtp.impl.mail.MailService</interface>
・・・
<!-- ■ for develop only (additional="true) ■ -->
<!-- 送信メールをデバッグ出力する場合、以下を有効にしてください。 -->
<!--
<property name="listener" class="org.iplass.mtp.mail.listeners.LoggingSendMailListener" additional="true"/> (6)
-->
</service>
・・・
</serviceDefinition>
1 | 利用するDBにあわせて設定ファイルを変更 |
2 | 利用するDBにあわせてコメント化またはコメント化解除 |
3 | 作成したDBにあわせて変更 |
4 | MySQL、PostgresSQLの場合はコメント化解除 |
5 | バイナリファイルの格納先に任意のパスを設定(Windowsの場合、 C:\iPLAss\binary 等) |
6 | コメント化解除、ただし開発環境のみ利用すること |
以上でプロジェクトの作成は終了です。
4. テナントの作成
テナントの作成はGUIツールを使用します。
-
コマンドラインからGradleタスクの
runTenantBatch
を実行します。-
実行パス: プロジェクト直下
-
実行するコマンド:
gradlew runTenantBatch
※Gradleタスクの一覧はgradlew tasks
のコマンドで確認出来ます。
-
-
起動した画面で
Create Default Tenant
をクリックします。 -
ダイアログで
name(テナント名)
、AdminUserId(管理者ユーザーID)
、AdminUserPassword(管理者ユーザーパスワード)
を入力し、Create
をクリックします。
ダイアログ画面のLogに「Execute Result : SUCCESS」が表示されたことを確認後、ダイアログを閉じてください。
テナント作成時はDBA権限を持つユーザーをmtp-service-config.xmlに設定してください。 |
管理者ユーザーIDには4文字以上の英数字および - (マイナス) @ _ . (ピリオド)のみ入力可能です。管理者ユーザーパスワードは6文字以上の英数字および次の記号 ~!#\\$^&*+;:?/|{}\\.=_,- のみ入力可能です。
|
5. 実行
サーバを起動し、ブラウザからテナントにアクセスします。
5.1. サーバの起動
-
プロジェクトのルートで右クリックし、
Run As > Run on Server
を実行します。 (次回以降はServer
Viewから起動できます。) -
Tomcat v9.0 Server
を選択して、[Finish]をクリックしてください。Always use this server whern running this project
をチェックしておくと、次回Server起動時にそのまま実行できます。Tomcat admin port
の設定が「-」になっている場合、Tomcatの起動に失敗します。使用されていない適当なポート「8015」などを設定してください。
5.2. ログイン画面の表示
-
サーバ起動後、ブラウザから以下のURL (GEMモジュールのトップ画面のURL) にアクセスします。
http://localhost:8080/コンテキスト名/テナント名/gem/
例えば、Servletのコンテキスト名を sampleApp
、テナントを sampleTenant
として作成した場合、URLは以下になります。
http://localhost:8080/sampleApp/sampleTenant/gem/
Webアプリケーションが正常に起動できた場合、以下のログイン画面が表示されます。テナント作成時に登録された管理者IDでログインしてください。
6. 次のステップ
iPLAssに初めてふれている場合、次に チュートリアル を実施してみてください。